読了本

天盆

天盆

天盆/王城夕紀
実用書みたいなそっけない表紙だけど、かなり面白かった。東洋風の架空の国を舞台に、将棋に似た架空のゲームに命をかけた人々の姿を描いた群像劇。「天盆」という名の盤戯には天の意志が宿るとされて尊ばれているが、いつしか政治権力や富によって歪められていた。庶民中の庶民である主人公の少年とその家族は、それにどう立ち向かうのか。歴史ものっぽい端正さのなかに熱い思いが込められていて、なのにとても清々しくて、どんどん頁をめくらされてしまった。キャラが立ってるねえ。にしてもラストには呆然。でもきっと、国破れても家族は残った、はず!