読了本

菜飯屋春秋

菜飯屋春秋

菜飯屋春秋/魚住陽子
柴田よしきの「ばんざい屋」シリーズみたいな話かな? と思っていたらかなり方向性が違っていたが、とても面白かった。抑制がきいているけれど辛気臭くはなくて、シリアスな流れのなかにもどこかおおらかな雰囲気が漂っていて。ザラッとした印象のサヤでさえ、しまいには愛おしく思えてくる。辛いことも悲しいことも飲み込んで、日々を大切に生きていくというのは素敵なことだ。見習いたい。難しいけど……。お豆腐屋さんとなっちゃんがうまくいきますようにと願わずにはいられない。小説のなかの人なのにね。