読了本

倫敦千夜一夜物語 あなたの一冊、お貸しします。/久賀理世
ヴィクトリア朝が舞台のミステリ、シリーズ1冊め。ロンドン郊外の小さな町で貸本屋を営む兄妹には深刻な事情があるのだが、殺伐となりそうなところをヒロインの可憐さが救っている。それにつけても兄上、いろいろと楽しい(笑)。物語に絡んでくる海外文学ネタもいい感じだ。老人のその症状を「タイムマシンの旅で心が迷子になっただけ」とするのは、しみじみいいね……。にしても2日続けてアラビアンナイトが関係してくる話を読んでしまったのは、シンクロニシティってやつかしら。