読了本

櫻子さんの足下には死体が埋まっている 白から始まる秘密/太田紫織
6作目にして、正太郎と櫻子さんの“初めての事件”編。少年にとっては(読者にとっても)なかなか衝撃的な出会いだった。現在は、自分は惣太郎の身代わりなのかと悶々としつつ、Phantomな櫻子さんの励ましに心慰められるという複雑な男心を披露する(そのあいまに食べまくる)。ところで許嫁の直江って、いままで間接的に語られるばかりで一度も直に登場してないんだけど、怪しいって思っちゃいけないのかしら。いくら花房が神出鬼没っていったって、二人の身近にいなけりゃこんなこと……。でも体毛ないらしいからなあ花房は。

ノベルダムと本の虫

ノベルダムと本の虫

ノベルダムと本の虫/天川栄人
お伽話チックなファンタジー。蒸気や電気などの代わりに「物語」から抽出したエネルギーで機械を動かす技術を有する国があり、物語を守るための「図書館」に少女がスカウトされる。文章から力を引き出し現実化することを引用(クオート)といい、それのページ上での表現がなかなか実験的で美しく興味深かった。主人公がいつまでもウジウジしているので、ちょっとイライラさせられたけどね……。