読了本

スフィアの死天使 天久鷹央の事件カルテ/知念実希人
シリーズ4作目にして、エピソードゼロ。鷹央と小鳥の出会いが描かれる。今回は長編なのもあり、内容が意外と重い。暴力的な殺人事件も起こるし、新興宗教が絡んできたりもする。医学だけでなく社会派ミステリーの趣もある中で、何があってもまっすぐな鷹央の存在だけが一服の清涼剤。で、このシリーズっていつもそうだけど、あと残り数十頁ってとこでいきなり何か起こるんだよねぇ。あーびっくりした。

セント・イージス号の武勲

セント・イージス号の武勲

セント・イージス号の武勲/上田早夕里
海洋冒険もの……にしては視点人物がころころ変わる群像劇で、描写は淡々としている。なので物語にのめり込めるような引力はあまりない。剣から銃へ、帆船から蒸気船へと移行してゆく戦争の姿を描いた歴史ものにファンタジー&SF色を絡めてみた、というところか。武勲という意味ではいちばんの英雄はティアゴのココだと思うしな。人間てほんと罪深い。