読了本

夢をまことに

夢をまことに

夢をまことに/山本兼一
近江の鉄砲鍛冶なんだけど、空気銃から望遠鏡、懐中筆や無尽灯など工夫を凝らしてさまざまな発明をした〈ものづくり〉の大家の生涯を描く時代もの。この国友一貫斎は実在の人らしい。諦めないでコツコツと改良を繰り返すところは職人気質だが、どうしたら夢を実現できるかとわくわくしながら考えるところは芸術家肌だ。根気と稚気を併せ持つ、発明家ってそういうものかもしれない。大名屋敷でテレスコッフを一晩中見るくだりが好き。小姓さん受難(笑)。裏表紙の絵がねずみ短檠か、画像をググってみたけどホントに鼠なんだね!