読了本

風と共に去りぬ 第2巻 (新潮文庫)

風と共に去りぬ 第2巻 (新潮文庫)

風と共に去りぬ 第2巻/マーガレット・ミッチェル著、鴻巣友季子
南北戦争でヤンキー軍にズタボロにされる南部。訳がどうとか気にならないほど、ストーリーがとにかく面白い。アメリカもかつてはこんなふうに国内で争ってたんだな。スカーレットは典型的な白痴美人で、異性にみせる顔が違うから同性には嫌われるタイプ。決して共感できるキャラ造形じゃないのに嘘みたいに魅力的。自分勝手だけど憎めないんだよね、他人を踏み台にして自分が得をしようというところがないから。奔放さや意志の強さは現代ですら珍しく感じられるほどだし。しかもこのときまだ19歳なんだもんな、末恐ろしいわ。にしても〈タラ〉はどうなっちゃうの……。

風のベーコンサンド 高原カフェ日誌

風のベーコンサンド 高原カフェ日誌

風のベーコンサンド 高原カフェ日誌/柴田よしき
地方の観光地でカフェを始めた女性の奮闘記。商売を軌道に乗せるのは大変だけど、人に美味しいものを食べさせたいという思いが先に立っているので気持ちよく読めた。地元の人々との交流も心地よい。基本的に悪人の出てこない話で(モラハラ夫にしろホテル関係者にしろ、えげつなさでは最弱レベル)、大きな災難がふりかかってくるわけでもないので(雪害で店が大損害をうけるとか……)逆に拍子抜けしたくらい。篠田節子だったらもっと凄いことになってたな。

酔(ゑ)ひもせず 其角(きかく)と一蝶(いっちょう)

酔(ゑ)ひもせず 其角(きかく)と一蝶(いっちょう)

酔ひもせず 其角と一蝶/田牧大和
お耽美な表紙イラストそのまんまのブロマンス時代ミステリ。吉原が舞台の割に女性向けな雰囲気、会話の歯切れが悪く展開も遅めでやや盛り上がりには欠けるものの、けっこう面白かった。とはいえ田牧作品のなかではそれほど好みではなかったかも。一蝶の名前は最後まで出てこないので副題はピンとこなかったが、エピローグ読んだらちょっと泣けてきた。