読了本
- 作者: 月村了衛
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/09/22
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- 作者: 月村了衛
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機龍警察 暗黒市場/月村了衛
シリーズ2作目、3作目。いやー、これはページをめくる手が止まらないわ。『自爆条項』では龍機兵の搭乗要員のひとりライザ・ラードナーに焦点が当たる。もとIRFのテロリストだったライザがなぜ日本の特捜部と契約することになったのか? 血塗れなはずの戦闘シーンの意外なほどのドライさが、ライザとミリーの姉妹、そしてテロの被害者である緑の感情を引き立たせていて胸が痛いほどだった。『暗黒市場』での主役はもとロシア民警出身のユーリ・オズノフ。ライザも“骸骨女”に呪われた身だったが、いわば自業自得だった。ユーリはまるきりの冤罪だから展開の緊迫感が凄かったし、読んでるこっちも「痩せ犬頑張れ!」モードに。潜入捜査終盤の攻防は凄かった……。そういう人々の苦労を雲の下に見ながら国と国との権謀術数が繰り広げられているので何だか虚しくなるが、ラストで『車窓』を読むライザや、姿のコーヒー談義でほわっと和まされるのが巧いと思う。嫌なことばっかりだと読むのもイヤになっちゃうもんねえ。