読了本

トオリヌケ キンシ

トオリヌケ キンシ

トオリヌケ キンシ/加納朋子
日常の謎的なミステリ風味のある短編集。面白かった。これを言ったらネタバレになるかもだが、裏(というほどでもないか)テーマは「病気」だろうか。まったく健康な、「ふつう」の人とは違う体の状態。その症状は真実を覆い隠し、話をややこしくする。病気の鑑別診断は探偵が謎を推理するのに似ているね、だからNHKの「総合診療医ドクターG」とかも好きなんだよな。この本では手遅れになる前に“患者”が救われるのがいい。でも助けるのは医者ではないから、医療ミステリっぽさはほとんどない。兎野の若奥さんはコミカルで良かった。