読了本

死神うどんカフェ1号店 一杯目 (YA! ENTERTAINMENT)

死神うどんカフェ1号店　一杯目／石川宏千花
香川で食べたうどんの旨さに開眼したもと死神が、かまたまうどんとカフェオレしかメニューにない店を開店させるという設定になんじゃそりゃと最初は思ったが、予想以上に面白かった。主人公の希子の心理描写が丁寧で共感できた。ストーカーや“たまご”のくだりもよかったし。九嵐のダンスの構えは、熊川哲也ばりに踊り出しそうでニヤニヤしてしまったが、三田くんも思わず目隠しするくらいのヤバさだそうだからなあ……いったいどんなダンスなんだろ。挿絵イラストもかわいくて、続きが楽しみ。

化合 ST 序章 (講談社ノベルス)

化合　ＳＴ　序章／今野敏
ＳＴ誕生の遠因となった事件が、まだ若手捜査員だった頃の菊川の視点で語られる。相棒となったベテラン刑事の滝下がクセのあるキャラで面白く、事件も意外な展開をみせてくれて読み応えがあった。ＳＴがいたらもっとサクサク調査が進むのかもしれないが、こういう地道な捜査が実を結ぶ話も好きだな。検事の頭の固さには気を揉まされた。寄ってたかってブレーキかけないと止まらないのも怖いが、現実にはこういう人が素直に心を入れかえるなんてことはないだろうな。