読了本

クラスメイツ 〈前期〉

クラスメイツ 〈前期〉

クラスメイツ 〈後期〉

クラスメイツ 〈後期〉

クラスメイツ 前期・後期/森絵都
東京のとある中学校の1年A組に在籍する24人のクラスメイトたち。その内面を順番に掘り下げていく連作短編集。徐々にキャラたちの繋がりが深まっていくのが面白かった。意外な子に意外な一面があったりして。男の子の話がとくによかったな、なんせクセ者(悪ガキ)ぞろいなので。男の子は縄文人で女の子は弥生人というたとえが言いえて妙だった。なので面白さの質が違うというか。トリをつとめる委員長のヒロはもっと腹黒いのかと思っていたら……。担任の先生もいい味出してた。表紙カバーも彼らの雰囲気をうまくつかんでる。
追記。そういえばここでも鍼灸師が出てきてた! シンクロニシティまだまだ続くのか?

慚愧の赤鬼 修法師百夜まじない帖 巻之二/平谷美樹
シリーズ2巻目、あんまり深刻にならずにさらっと読める時代ものの連作短編。相手が付喪神だからか、死人が出るほど凶暴なことはなく、たいていほのぼのオチがついて終わる。人を殺すのはやっぱり人で、その際は百夜の仕込み杖がうなるのだった。あ、ひとつ凶暴な付喪神があったな……書き下ろしの「紅い烏」は割と怖め。「薫風」がけっこう好きだった。ちょいコワ、ちょいほので。