読了本

島はぼくらと

島はぼくらと

島はぼくらと/辻村深月
瀬戸内海の島で暮らす高校生たちの姿を描いた爽やかな青春小説。なかなかドラマチックで面白かった。朝ドラの原作にできるんじゃないかってくらい。辻村さんといえば胸にグサッと来る、あるいは針でチクチク刺され続けるような痛い話を書く人というイメージだったが、こういうのもいいなあ。まあ閉鎖的な土地ならではのイヤな部分もあるし、フキちゃんの件は冬季五輪が終わったばかりの今はより真に迫って感じられる。でも基本的にとても前向きな物語だ。ミステリ色はほとんどないけれど、忘れたころに現れた『幻の脚本』にはちょっとびっくりした。