読了本

バーサイド・チルドレン/梓崎優
日本を離れカンボジアでストリート・チルドレンとなった少年、ミサキ。生活は辛く苦しいながら、それでも仲間とともに笑顔で暮らしていたのだが……。社会派ミステリ。政策のひずみに子どもたちは落ち込み、なお飲み込まれていく。だが人間は逞しい。不幸のはざまでも幸せを見つけ、それが生きていく上での糧となる。テーマは重いのに読みごこちは意外なほど軽くて明るい。ミステリとしては、正解が逆のほうが意外性と重みがあった気がする。辻褄を合わせなきゃいけないけど。「名もない旅人」の出現が唐突だが、前作『叫びと祈り』とリンクしてるのか。