読了本

ひみつの海(上) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)

ひみつの海(上) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)

ひみつの海(下) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)

ひみつの海(下) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)

ひみつの海 上・下/アーサー・ランサム著、神宮輝夫訳
シリーズ8作目。ウォーカーきょうだい5人が探検隊を組んで未踏査の島々へ調査に乗り込む(という設定)。ところがそこには野蛮な現地人“ウナギ族”(という設定)がいて……。遊び心いっぱいなのです。あー、ほんとこんな子ども時代を過ごす彼らが超うらやましい! と思う読者が多かったからこそ出版当時も大評判だったんだろうな。マストドンが板挟みになって悩むくだり、ブリジットが捕虜に志願するくだり、すわエジプト人になりかけるくだりなんかが特に好き。それにしてもデイジーの言動はナンシイに勝るとも劣らぬ奔放さで実に魅力的だ。しかし新訳にはいろいろ違和感もある。船の名前にはせめて「号」をつけてほしいような。

婚礼はそよ風をまとって (ヴィレッジブックス)

婚礼はそよ風をまとって (ヴィレッジブックス)

婚礼はそよ風をまとって/ジュリー・ガーウッド著、細田利江子訳
逞しいハイランダーと芯の強い金髪美女の恋。ロマンスものってやっぱり女性のためのファンタジーなんだなあ。個人的にはもっと葛藤とか反発とかを経たのちにじわじわ距離が縮まってくほうが気分も盛り上がるのだが、ロマンスものはひとたびベッドに入ってしまえば是非もなくぶわーっと盛り上がる。で、たまに波に乗り遅れることがあるものの、今回はヒーローヒロインともに嫌いなタイプじゃないのでまあいいか……と。フェミ色もあるが、それこそ女性向けとして大切な要素ではあるだろう。むくつけきマクローリンの皆さんが女主人にさんざんしつけられて、ついには素直に従うくだりは微笑ましかった。