読了本

雪まろげ: 古手屋喜十 為事覚え

雪まろげ: 古手屋喜十 為事覚え

雪まろげ 古手屋喜十 為事(しごと)覚え/宇江佐真理
シリーズ2作目。おおう、ブラック宇江佐さんがちょっと顔を出しているかもだ。生きていくってしんどいよなあ……と思わずしんみり辛い気持ちになってしまう展開が続くなか、ラストでかなり救われた。続きが楽しみだが、なんといっても宇江佐さんだから油断はできない。192頁の喜十のセリフ、男の悋気も相当凄いのくだりは昨日読んだ『かりんとう侍』とどんぴしゃなので驚いた。こういうのもシンクロニシティと言うのかしら。「こぎん」の怪談色もちょっと怖くてよかった。

半七捕物帳 年代版五 謎深き幕末江戸の事件 腕を組む半七/岡本綺堂
この巻には十編を収録。明治維新まであとすこし、半七はいつまで捕物を行っていたんだろうな。それはともあれ、まあ複雑な事件が次から次へと起こること。でもやっぱり捕物帳って、現代の刑事ものとはまた違った面白さがある。なりゆきで犯罪を起こしてしまったのよりも、愛憎うずまく計画犯罪は凄みがあって引き込まれるが、それを半七が洒脱に語るので胃もたれしないのがいい。