読了本

図書館の魔女(上)

図書館の魔女(上)

図書館の魔女 上/高田大介
最近はなんでもアリなうえ玉石混淆な感のあるメフィスト賞だけど、これは大当たりな予感。でもミステリではないのかな。異世界架空歴史もの、かな? 独特の雰囲気がとても魅力的。なんとなく昔の宮崎作品っぽいと思った。ナウシカとか『シュナの旅』みたいな。明快で端正な文章も快い。キリヒトの正体はうすうす察してはいたけれど、予想以上に凄まじくて、彼の健気さと覚悟が切なくて泣きそうになってしまった。政治的な権謀術数の渦の中でマツリカたちはどうなるのか……。地下水道の冒険のくだりは楽しかったのに、ああいう日々はもう帰ってこないのかなぁ。