読了本

不思議の扉 午後の教室 (角川文庫)

不思議の扉　午後の教室／大森望編
おーもりさん選の短編小説アンソロジー。ちょっと前から「不思議の扉」という名前の文庫本が出てることは知ってたが、ちらっと見かけるたびに何だか微妙に雰囲気が違うのが不思議だな……と思ってた。そうか、テーマを変えて何冊か出てて、これが第４弾なのか。平山夢明「テロルの創世」とジョー・ヒル「ポップ・アート」が特に面白かった。痒いところに手が届くような解説もついてて、ますます扉の向こうに新たな世界が広がる感じ。他の巻も読まねば。

僕は、そして僕たちはどう生きるか

僕は、そして僕たちはどう生きるか／梨木香歩
わりとほのぼのな感じで始まって、野外採集とか野草料理とか何か面白そうなことやりだしたぞとほくほく読んでたら、話がどんどんヘヴィな方向へ行くので焦った。極めつけはコッコちゃん。ショックでちょっと頭が真っ白になった。自分の考えが優位な他人や集団に飲み込まれる、こういう経験は多かれ少なかれ誰にでもあるんじゃないだろうか。どう対処すればいいのか、簡単に答えの出せる問題じゃないけど、梨木さんがぐちゃぐちゃのまま放り出さないでちゃんと筋道をつけているのはさすがだと思った。読めてよかった。