読了本
- 作者: 富樫倫太郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2011/10/22
- メディア: 文庫
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面白くて2冊イッキ読み。米仲買人として小さいながらも店を構えた吉左衛門は、非凡な手腕と堅実な商売でちゃくちゃくと利益を出していたが、秋の大凶作を確信したことから誰もやらない大勝負に打って出る……。大坂商人の立身出世ものだが、吉左衛門は悪どいことは一切やらないタイプ。彼が儲けるのはひとえに相場師としての才覚のおかげで、運を呼ぶのは誠実な人柄ゆえだから、読んでて実にわくわくする。経済がテーマでも描かれているのは数字の上げ下げというより人と人との繋がりで、生活感があるのもいい。そして加保とはらぶらぶ(笑)。今回彼が敷いた“背水の陣”のくだりは手に汗握ったな〜! もうだめだっ、と何度も思ってしまった。吉左衛門を信じきれなかった客はどれほど後悔してることか。そして新たな縁であるスゴ腕相場師・寒河江屋は彼とどんな関わりをもっていくのか、続きがめっちゃ楽しみ!!