読了本

ばんば憑き     

ばんば憑き    

ばんば憑き/宮部みゆき
ちょっとホラーテイストが入った江戸ものの短編集。6編もあるといつもの長編と同じくらい分厚いが(笑)、いずれも面白いうえ他の作品とリンクしてる話もあったりして2度おいしい。激しく訛ってる狛犬さんと犬士さんが頼もしい「博打眼」、『あんじゅう』に登場した手習所の若先生が奮戦する「討債鬼」が特によかったけど、表題作だけ他のと毛色が違う感じ。読後にほっと安心できる余地がぜんぜんなくて、不条理というかシニカルというか、胸にもやもやがずっと残るタイプの話。昔の宮部さんの短編はこういう味わいのものがよくあったような。