読了本

キャロットケーキがだましている (ヴィレッジブックス)

キャロットケーキがだましている (ヴィレッジブックス)

キャロットケーキがだましている/ジョアン・フルーク著、上條ひろみ訳
シリーズ10作目。今回はなかなか楽しかった。被害者の隠された特徴を知る者が幾人も現れるくだりなどはコージーならではの面白さ。また出てくる料理がどれも美味しそうなうえ、次の展開のカギになっていたりするのも印象的だった。フロスティングをかけたクッキーって食べたことないから興味をそそられるなぁ、カロリー凄そうだけど……。いつも危険の中に突っ込んでばかりなハンナも今回ばかりは責められないか。それに機転を利かせてたしね! なかなかうまい伏線だったよなあ。しかし何度も言うけどノーマンにしとけって! グルメ卵サンドはともかくマイクのフラミンゴ、アレはないわ。

金色の獣、彼方に向かう

金色の獣、彼方に向かう

金色の獣、彼方に向かう/恒川光太郎
どちらかといえばほのぼのとした雰囲気で進んでいきながら、あるとき突然ザラッとした感触とともに怖いほうへと分け入っていくのでドキドキしてしまう。短編集だけど4つの話は“鼬行者”というキーワードで繋がっていた、のかな? 「風天孔参り」が好きだったけれどこれに鼬行者は出てきてたっけな。「異神千夜」は著者には珍しい時代もの(と言っていいと思う)で、なんだか酒見賢一みたいな味わいがあった。