読了本

いまはむかし

いまはむかし

いまはむかし 竹取異聞/安澄加奈
日本の古典を大胆にアレンジしたファンタジー。時代の空気は薄く、暗部も最低限にしか出てこないが、それだけに読みやすい。「月」と「日」の関係もよかったし、淡いラブストーリーとしてはいちばん爽やかないいシーンでの幕引きとなっていた、が。えっ、4つ目の宝を得たところまでしかやらないの? 「その後」を描いてくれないのは冒険の途中で電源を切られたRPGみたいなもんで、なんだかちょっと落ち着かない……まあ、彼らはきっとやってのけるんだろうけどさ。それに輝夜たちの物語も弥吹たちの物語も、オチをつけるより現在進行形のほうが彼ららしい。素敵な表紙イラストの“機械仕掛けの小鳥”が気になっていたのだが内容とは特に関係なかった(^^;。