読了本

夢の騎士にふたたび (ラズベリー文庫)

夢の騎士にふたたび (ラズベリー文庫)

夢の騎士にふたたび/リン・カーランド著、旦紀子訳
“マクラウド家”シリーズ第1作目。『わたしの黒い騎士』の“ド・ピアジェ家”ものとは後にクロスオーバーするそうだが、こちらの舞台は中世スコットランド。タイムスリップしてきたヒロインがすったもんだのすえ改革に着手するまで、まあとにかく汚いこと汚いこと。いいね〜、リアル路線だいかんげい! 朝チュン作家だと思っていたら、これはロマンス描写もけっこう頑張ってますな。まあ、前にざっくり流し読みしたことのある同じようなシチュエーションの夢のなかの騎士 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)なんかと比べると描いてないも同然なんだけど、私はこのくらいのほうが好きだな。想像の余地があるほうがさ。でもジェイミーがデレ化したあとはちょっと話がダレるなぁ。外堀を埋められて降参するしかなくなるまでの紆余曲折は楽しかったんだが。だいたい労せずして億万長者とかどんだけ作者に贔屓されてるんだっ。兄と違って無一文で現代に迷い込む弟のパトリックのほうが性格も好みだし話も面白そうなんだけど、そっちのロマンスは綴られなさそうだね。ハッピーエンドじゃないんだもんな(私はそれでも構わないけど、ロマンス的にはアウトらしい)。