読了本
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2010/07/01
- メディア: ハードカバー
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『おそろし』の続編。相変わらず怪異譚を集めているおちか。前作よりも暗黒面とハートフルさのバランスがとれていて楽しめた。前作は後味が悪すぎたよ……苦みで痺れた舌では甘いものも妙な味になってしまうもんなぁ。今回は新キャラ色々のおかげで新風が入り、雰囲気にも軽みが出てきてて面白かった。お旱さんはチャーミングだったし、くろすけはいじらしすぎて泣けた。南伸坊のイラストもまるっこくて愛らしい。そのぶん怖さ的にはいまひとつだったものの、人形に針が立つくだりには「なるしまゆりのマンガでそんなシーンあったなぁ、ネコがかわいそうなやつ」と怖気をふるっていた、のだが。そーいうことなら怖いのは人間だな。ユーモラスで微笑ましいラストもよかった。このシリーズもっと続いてほしい。だって謎の看板娘と青びょうたんのその後が知りたいじゃん!