読了本

三題噺 示現流幽霊 神田紅梅亭寄席物帳/愛川晶
シリーズ4作目。愛川さんの他の作品はまだ読んでいないが、このシリーズは新刊が出るのをとても楽しみにしている。落語と落語家をほんとにうまく作品に織り込んでいて、寄席の臨場感が味わえるのがいい。今回は落語そのものよりも、切っても切れない間柄のとある“色物”が関わってくるケースが多かったけれども、福の助が噺の型を尊重しながら、その場の流れで臨機応変に演じ分けるのが毎回たまらなく面白い。「海の幸」が何なのかは次巻に続くのかな? と思ってたら……あはは、「特別編(過去)」、うまいなあ! まんまとミスリードにひっかかってしまったし、まさかこんなところに由喜枝さんの謎解きが転がってるとは思わなんだ。