読了本

統ばる島

統ばる島

統ばる島/池上永一
久しぶりに現代もの(じゃないのもあるが)の連作短編集。八重山諸島石垣島を舞台にした、海と植物と神と人間の物語。濃密なのにあっさり、という不思議な読後感。しちめんどくさいことはみんな暑さで蒸発してスコールが流してしまうのだろう。神秘が日常であるところも忘れがたい。新任女教師の奮闘記「黒島」がとくに面白かった。小豆島なら「二十四の瞳」みたいな話になるのに、池上さんが描くとこうなるのな(笑)。与那国島の女海賊はほぼ実話なんだよね?