読了本
- 作者: 倉阪鬼一郎
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2010/11/26
- メディア: 文庫
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ええっ、いつのまにか倉阪さんが時代小説界に進出している! ……これは怖い話なのかなぁ、表紙の女の人もどこかぬめりと妖怪じみているしなぁ、なんて思っていたらまったくの気のせいだった(笑)。市井もので、料理もの。『みをつくし料理帖』みたいな感じの。でも決して二番煎じではない。読みやすいけれど、凝った言い回しがあちこちにあり、ホラーで培った美学が活かされていると感じた。それでも、あっさりめではあるが正統派の人情ものだ。面白かった。サブタイ「人生の一椀」がラストでも効いてくるのが見事。さいきん続編が出たらしいので読むのが楽しみだ。他の時代もの作品はどんな出来なんだろう?