読了本

折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)

折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)

折れた竜骨/米澤穂信
作者の新境地、いや、これが元来の作風だったんだな。アマチュア時代の習作がもとになってるらしいから。それにしたって凄いわ。中世歴史ものにして剣と魔法の物語で、そのうえもちろん本格ミステリであるという盛りだくさんぶり。なのに不思議なほどしっくりきてて、キャラも立ってて。ものすごーーーーーく面白かったからノンストップで読んじゃったよ。“古典部”や“小市民”では妙にこそばゆく思えるキザな感じが、こういう舞台設定だとハマるハマる。頁をめくるたびにどきどきしたもの、次は何が起こるんだ!?って。キザってつまりは翻訳ものっぽいってことだったのかもな。日本のケン・フォレット、とか言ってみたりして。たぶん無理だろうけど続編が読みたいねぇ。「折れた竜骨」が風に乗ってヨーロッパを駆け巡るときは来るのか……気になるよ〜。あとがきの〆の一文がまたカッコいいんだ。でもこーいうところがキザなんですよ米澤さん(笑)。