読了本

前夜の航跡

前夜の航跡

前夜の航跡/紫野貴李
神の手、もとい“仏の手”を持つ彫刻師を狂言回しに、旧海軍で起こったさまざまな不思議譚を描く連作短編集。カバーはホラーっぽいが中身は思ったより怖くない。というか、なんか妙にかわいい。題材は硬派なのに、どこかほのぼのさすら漂っている。それもそのはず天下のファンタジーノベル大賞・大賞受賞作だ。 第一話の凸凹コンビはいい感じだし第二話はねこちやんだし第三話はほろりと来るし第四話はスペクタクルだし第五話はまたしても凸凹コンビだしで、とにかく面白かった。亮佑ちんの対人&対霊対応には思わずニヤッとさせられる。