読了本

卵をめぐる祖父の戦争/デイヴィッド・ベニオフ著、田口俊樹訳
戦時下の、食えるもんはみんな食い尽くしたレニングラード周辺で卵を1ダースも探すはめになった奇妙な若者コンビ、レフとコーリャの物語。訳も読みやすく、寝る間も惜しんで一気に読んでしまった。これ途中でやめるの難しいよ。かなり悲惨な状況が続くのに、淡々としたユーモアに満ちていて思わずクスッと笑ってしまう。いらんことしいのコーリャがホントにすさまじい。絶体絶命のピンチを予想もしてなかった展開で乗り越えていくのが「お祖父さんの壮大なホラ話」的面白さ。まあ、さすがに中盤あたりからだんだん胃が重苦しくなってきたけどね……。牧羊犬のくだりでは号泣。まったく、戦争なんか始めるやつはバカだ。オチにはやっぱりね! とにんまり。