読了本

地球のまん中 わたしの島 (ノベルズ・エクスプレス)

地球のまん中 わたしの島 (ノベルズ・エクスプレス)

地球のまん中 わたしの島/杉本りえ著、toi8
仕事を辞め故郷の島でペンションを開くという両親のおかげで転校することになった中学生の灯子。かつての暮らしが懐かしいけれど、この土地にもなじみたい。なのにどうしても壁を感じてしまう……。思春期の少女の心のなかにゆらめく不安と希望がみずみずしく描かれ、漁業で成り立つ島の暮らしのシビアさも織り込んであってかなり面白かった。おすすめ。もうちょっと先まで読みたかった、せめて民宿<東>の経営が安定するまで、と思ったが児童書だからあんまりボリューム出せないのかも。キャラクターも良いし、まだまだ話は広がりそうなので続編がほしい感じ。
イラストがとても可愛い。どこかで見たタッチだなぁ、犬(みかん、柴犬♀、ちょーラブリー)の描き方が似ていたから「神様が用意してくれた場所」シリーズの人? と思ったらあれはFuzzyだった。こちらは似鳥鶏の学園ミステリシリーズの表紙描いてる人か。しかし最近ポプラ社はいい仕事してるよね。ピュアフル文庫といいポケット文庫といい、なかなかのラインナップだもん。二階堂奥歯の『八本脚の蝶』を出した頃から「おやっ?」と思ってたけど、なにか凄腕の編集者がにょきにょき頭角を現しでもしたのかしらん。