読了本

うさぎ幻化行 (創元クライム・クラブ)

うさぎ幻化行／北森鴻
飛行機事故で亡くなった義兄が残した「音風景」の秘密を追う“うさぎ”。旅先で出遭う小さな謎を解きつつ、うさぎは次第に核心に迫っていく。著者からのラストプレゼントだと思うとちょっと感傷的な気分になってしまった。表紙も可愛いなかにどこか寂しさが漂っている気がする。この、引き返せない列車に乗ったうさぎとそれを見送るうさぎは、さてどっちがどっちなのか？　最後まで読んでその仕掛けに驚いた。幻惑させられた、というか。マジシャンがうさぎを使ってマジックをするのを観たことがあるけど、あれを思い出した……。