読了本
- 作者: エミリーブロンテ,Emily Bront¨e,小野寺健
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/02/09
- メディア: 文庫
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挑戦してはカタさに歯が立たずスゴスゴ退散、を繰り返していたが今回の新訳でやっと読めた。「いま」の言葉に近くて読みやすく面白かった。こんなにくだけてていいのか? と何度も思ったくらい。あと、森薫で脳内コミック化してたのがけっこう楽しかった。ネリーは自称“太った老女”だそうだが美人度8割増しくらいで想像(笑)。いい歳したおっさんが次世代の子どもたちをいたぶって鬱憤を晴らす話、と言ってはミもフタもないけど、シビアなつっこみを交えたネリーの語りのおかげでぐいぐい読まされてしまう。とくにキャシーがついつい甘やかすダメ男リントンに対してまったく容赦ないところとか。復讐心に凝り固まった暴君にぎゅうぎゅう抑え付けられても、アーンショウの血を引く若者たちは持ち前の強靱さで固い地面を割って芽吹き、ついには花を咲かせていくという……なんだかヒースクリフが哀れになってしまったのは、彼が単純な悪役ではないからだな。