読了本

御書物同心日記 (講談社文庫)

御書物同心日記 (講談社文庫)

御書物同心日記/出久根達郎
id:psycheNさんに教えてもらった本。出久根さんは古本エッセイしか読んだことがなかったのだけど、時代ものも面白いんだなぁ! これからはひいきにしよう。主人公は将軍家の御文庫に勤める新米同心。だが古本好きで町中の古書店とも親しく付き合っているため、武家ものと市井もののいいとこ取りになってるのがとてもユニーク。ちょっと不思議というか奇妙な雰囲気が当たり前のようにあるのも江戸時代らしくていい。毎回すとんとオチないで、謎かけを残したままふわんと幕が閉じる感じも面白い。肩は凝らないが好奇心が刺激される楽しい読み物。しかし一寸もある紙魚か……きれいだそうだが見てみたいような怖いような。