読了本

嵐が丘〈上〉 (光文社古典新訳文庫)

嵐が丘〈上〉 (光文社古典新訳文庫)

嵐が丘(上)/E.ブロンテ
新訳が出たので挑戦。むかーし挑んだときは歯が立たなかったが、今回は読みやすかった。イギリスの荒野に建つ古い屋敷で繰り広げられる愛憎劇……おおぅ、なんたるギスギスした人間関係。でも長く勤めた女召使いがクールに観察した一部始終を、さらに無関係の人間が好奇心から昔話として聞くという、ワンクッションもツークッションもおいた形で語られるためさほど生々しくはない。というかこれが当事者視点だったら引いてしまうかもなぁ、ヒロインはめちゃめちゃ気性が荒くてクルクル気が変わるし、ヒースクリフは冷酷で身勝手だし、イザベラも何を考えてるのか分からんし(現代人の感覚ではね)。さて、悲劇のお膳立てが整ったようで下巻を読むのが怖いのだが、ここから冒頭のシーンとどう繋がるのかはとても気になる。