読了本

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上/スティーグ・ラーソン
世界的ベストセラーの第一巻。最初はあんまりピンとこなかったのだ。どういう話なのかよく分からなかったし。政治経済小説か? みたいな。でもジャーナリストとしてのキャリアを棒にふりかけたミカエルが40年前に起こったとある事件の洗い直しを依頼されるあたりからいきなりミステリ化して、ぶわーっと面白くなってきた。しかもなんだかコージーっぽいよ。ミカエルってば、おしゃべりして美味しいもん食べて恋愛を楽しんで(笑)。ハードボイルドかつサスペンスフルなリスベットのパートとどう繋がっていくのかも気になる。訳者あとがきで主役の男女の立場が逆になってるとあって妙に納得させられた。一粒で2度おいしいんだな。リスベットが今後もっと酷い目に遭いそうなのが怖いけど。しかし普通こういうのって章を変えたりして、はっきり分けて語るもんだよねえ。ナチュラルに段落ごとに切り替わるのはどういう仕掛けなんだろう。それとも特に意味はないのか? シリーズ自体は著者急逝で未完なんだそうだ。すごく残念。それでも読まずにはいられない。魅力的な謎が手招きしてるから……。北欧が舞台の話ってほとんど初めてかも。風物や食生活などの描写もなかなか興味深い。これ読み終わったら「ピッピ」と「カッレくん」も読もう。