読了本

麻布怪談

麻布怪談

麻布怪談/小林恭二
ぜんぜん怖くない、どこか滑稽でエロティックで、切なくもほろ苦い“怪談”。面白かった、すごく面白かった。イギリスだと怪談は冬の風物詩で暖炉とセットだそうだが、このお話も炬燵にもぐって読むのに向いているかもしれない。序盤と終盤ではかなり話が化けている。狐が関わるだけに。なんで善四郎がこんなにモテるんだよーと思ってたら、ゆずり葉の来歴を聞いてびっくり。単行本書き下ろしというエピローグには思わず涙出そうになった。あんまりきれいで。それにあの辺、今でも狐が出そう……。