読了本

シェイクスピア・シークレット(下)/ジェニファー・リー・キャレル
シェイクスピアの“失われた戯曲”がもし見つかったら? という発想から本書は生まれたとあとがきにある。それに「シェイクスピアとはいったい誰だったのか?」という謎(分かってないんだ! 写楽みたいな感じ?)をからめ、サスペンスとアクション、ロマンスまで盛り込んで魅力的な物語に仕上げてある。本物のシェイクスピア研究者が書いた小説にしてはうんちくが退屈じゃないのもいい。翻訳ものに慣れてない私は登場人物の名前が覚えきれずに苦労したが(^^;。興味のない人にはたかが作家の一作品……だけど新作の有無に狂奔し、正体の如何によっては殺人も辞さないほどのめり込む人々の気持ちはちょっと分かる。