読了本

山魔の如き嗤うもの (ミステリー・リーグ)

山魔の如き嗤うもの (ミステリー・リーグ)

山魔の如き嗤うもの/三津田信三
今年の読み初めが「如きもの」シリーズなんて超ぜいたく。そしてこれの後にはシリーズ新作も控えてるのだ。ぜいたく〜!
「はじめに」はフェアさを演出するために添えられてるのかな、ちょっとネタばらししすぎな感じがする……ってもしかしたら、そこは折り込み済みなのかも? そういうことだろうなーとうすうす感じてはいても、その事実が謎の解釈にどう作用するか分かると、ちゃんと驚けたし納得できた。筋が通る気持ちよさを味わった後には、筋の通らない不気味さがじわじわとやってくる。残されたものたちがその後どうなるのかを想像すると怖い。
怖いといえば立春が遭遇した怪異には背筋がぞくぞくした。冒頭の手記の怪異のうち、いくつかは自然現象として私でも説明がつけられるくらいだったのに、立春のそれはもう人外のモノのなせるわざとしか言えないもの。でなくてもわらべ歌殺人ってだけで恐ろしいのに。ところで祖父江偲たん、なんだあの可愛さ。言耶とのかけあいには思わずニマニマしてしまったが、まさかそこに謎を解く鍵がひそんでたとはなぁ。