読了本
- 作者: 北村薫
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/08/26
- メディア: 単行本
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イヤな読後感を残す短編を集めた“陰のある”短編集。最近こういうの多いな、京極さんの『厭な小説』とかマーティンの『洋梨型の男』とか。作家の皆さんお手柔らかに、ほどほどに……。まあ、この作品はさほどイヤさに満ちてるわけでも、技巧を凝らしまくってるというほどでもない。オチもそんなにひねってない。私が北村作品でイヤ度ナンバーワン認定してる『盤上の敵』に比べると比較的ぬるめ。冒頭の注意もいらないくらい。ただ、途中のなにげない描写がじんわりと奇妙な面白みを伝えてきて、ああ、北村さんらしいなあと思うのだ。