読了本

姫の竹、月の草―吉井堂謎解き暦

姫の竹、月の草―吉井堂謎解き暦

姫の竹、月の草/浮穴みみ
不運にもお家断絶となり、父母も亡くした武家の兄妹は町屋で手習い所を開きながら肩を寄せ合うように暮らしている。そんなふたりの日常に謎解きをからめた時代もの。兄上、ステキ!! 数馬はかなりの変わり者で、容貌魁偉ながら蘭学や算学に通じ、腕っぷしも強いうえ骨の髄まで妹思い、という……まあいろいろと深い事情があったりするのだが。部分部分はかなり突飛な感じがするのに(第一話から思わずのけぞった)、全体で見るとしっくりきてるのが不思議。爽やかな読後感で続きが読みたくなった。なによりこの二人の行く末が気になる。