読了本

ツムジイこと「ひげもじゃの、へそまがりの、つむじまがりの、がんこもののじいさまコロボックル」が大活躍する話。どびんハウスが超ステキ。最後まで話に直接からんでくれてたらもっとよかったのだけど、思わぬ怪我で一線を退いてしまったんだよなあ。でも5作目でもちらりと元気な姿を見せてくれたのは嬉しかった。

137ページの村上画伯のイラストがガーリーで可愛い。このつる草ってヘクソカズラのような気がするけれど(^^;。チィサコ族の登場には気分が高揚した! 画伯のカラー絵ないのかしら。チィサコ視点の話も読みたい……きっと日本昔話の世界だ。もっと続きがあればよいのに。けれど、あんまりあけすけに書くのもよくないって「作者の懸念」を思うとねぇ。完全に虚構だったらどんどん続きを描いても構わないだろうし、ほんとはホントに「いる」のでは? と疑いたくなる。
ただ「こんなぎすぎすした時代なんだから、コロボックルでもいてくれたら、さぞほっとするだろうなあ」と当時の正子ですら思ったというのに、ギスギスどころじゃない今の時代では、いない(というか隠れてる)ままのが安全には違いない……ってちょっと真剣に考えてしまった。それでも今も読み継がれるこの物語が人の世の「うるおい」になっていることは確かだ。