2009-10-07 読了本 銀二貫作者: 高田郁出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2009/06メディア: 単行本 クリック: 13回この商品を含むブログ (13件) を見る江戸時代の大坂・天満を舞台に、商人に仇討ちを買われ武士の子から丁稚になった松吉の半生を描く市井もの。地味だけれど、滋味あふれる物語でしみじみよかった。「寒天」がテーマなのも珍しくて面白かったし、登場人物たちの使う上方ことばも目にまろやかで心地よい。まぁ抑揚までは分からないものの、いま桂米朝さんの落語CDを聴いているところなのでそれでなんとか。 しっかし火事起こりすぎだよ! いくら日本の町屋が燃えやすい素材ばかりで出来てるったって……。しかも史実というのがシビアすぎて泣きたくなってしまう。当時の人々の心労はいかばかりか。それでも歯を食いしばって生きていくほかなかったのだろうな。最後には苦労も報われてひと安心。松吉の奥手さはホント「はがいい」ったらなかったわ。