読了本

ジパング島発見記

ジパング島発見記

日本へはるばる布教にやってきたイエズス会士たちの姿を描く連作短編集。話ごとに主人公は変わるが、登場人物はかぶっているのでちょっと群像劇のよう。宣教師といっても性格はさまざま、「ほら吹きピント」のようにハチャメチャだがいたって陽性なのもいれば、カブラルのように真っ直ぐに歪んでいるのもいて。カブラルいちばん嫌な奴なんだけどいちばん印象に残っているなあ。「アルメイダの悪魔祓い」も面白かった。あとフロイスの「日本史」で彼の観察眼を確認してみたくなった。

この本、へんにゴテゴテしてないけど基本はおさえてあるし、伝統的なのもアレンジ寿司もおいしそうだし、フォントや写真の色合いやページのレイアウトがなんだか読んでて気持ちがいい。気どらないけどスカしてない、その微妙なバランスが好み。ちくわちらしとかにかま押し寿司、こんど作ってみよう。うちには飯台がないので、大き目のトレーにラップを張り扇風機であおいで酢飯を作っている(これは「きょうの料理」で観たやりかた)。それにしてもなんで祖母直伝セロリとハムの混ぜ寿司のレシピを載せておいてくれなかったのか……!