読了本

密室の如き籠るもの (講談社ノベルス)

密室の如き籠るもの (講談社ノベルス)

如きものシリーズの短編集。面白かった。民俗学色や時代背景などは京極さんの妖怪シリーズと近いものがあるが、あちらが理路整然として怖さはさほどないのに比べ、こちらはかなりホラー色が濃い。謎が解けても、事件とは直接関係ないところに割り切れない不可解さが残ってすっきりしない。すべて説明されない怖さ、そこが魅力。迷家の山の怪談はゾッとしたな。結局なにに追いかけられてたのか? 赤箱って? 雑木林に入っちゃいけないのは何故? 怖いってばよ……。探偵役の刀城がどちらかといえばすっとぼけた感じで、アイスに添えられたウエハースのような存在なのもいいと思う。そ、そういえば山魔まだ読んでなかったよ! 発売してすぐに買ったのに!