作家の愛した「おやつ」がテーマの本。面白かった。グラビア多用で目にも楽しい。昭和の文豪中心なので取り上げられている食べ物もレトロ感いっぱい。老舗の味も多く、よく出てくる「
空也の最中」や「月世界」はさすがに美味しそうだ。『檀流クッキング』の
檀一雄はどちらかといえばいかめしいイメージだったのだが、自分のことをチチさんと呼びマスカットオブ
アレキサンドリアに喜ぶ姿はやたら可愛らしかった。「かどやの槍かけだんご」と「梅むらの
豆かん」を食べてみたいなぁ。ちなみに表紙の「
万惣フルーツパーラーのホットケーキ」は
池波正太郎の好物とのこと。