読了本

百鬼夜行絵巻の謎 <ヴィジュアル版> (集英社新書)

百鬼夜行絵巻の謎 <ヴィジュアル版> (集英社新書)

来月「百鬼夜行の世界」展に行くので復習。この絵巻の謎は大きく分けてふたつある。ひとつは後代の絵師が忠実に模写しなかったり、自分なりの解釈や色を加えたりするうちストーリーがぼやけてしまったこと。日文研本の結末には今見ても慄いてしまうが、あの黒雲や火の玉がなんなのか解明されたらもっと驚くことになるのだろうか(火の玉が陀羅尼の火というのはどーなんだろう、いまいち納得がいかない)。もうひとつはどの本がもっとも古い姿を伝えていてどれが新しいのか混乱していたことだが、今回だいぶすっきり整理された。パズルみたいでかなり面白い。気になる部分(たとえば鍋蓋の妖怪とか)を一度にならべて見比べてみたいものだ。絵巻の所蔵元リストに京極夏彦の名前があって吹いた。個人で持ってるとはさすが。