読了本

英雄の書 上

英雄の書 上

宮部さんのゲーム・ファンタジーものにはほとんど手を出してないのだが……うーん、いつもこうなの? めちゃめちゃ微妙。なかなか話に乗れなくて参った。そもそも友理子がまったく小学5年生らしくない。語彙も思考も大人すぎて実にちぐはぐなことになってた。中盤の“無名の地”パートは退屈でたまらず、子どもじゃなきゃ来れないってのもいまひとつしっくりこない(頭の固い子どももいれば柔軟な大人もいるだろうに)。子ども相手なんだからもっとシンプルな世界にするか、友理子がシンプルにしか受け取れないかにしてほしかった。
業を煮やして友理子の年齢を脳内で上げていく。最初は女子高生にしてみたけど、無名の地では短大卒入社2年目のOLでも足りないくらいだった。いっそのこと『Wonder Wonderful』みたいに突き抜けちゃえばよかったんですよ宮部さんも。ユーリになって帰ってきたあたりからやっと面白くなって、それでも脳内設定は大学の文学部2年くらいにしたまま。やっぱり「子どもじゃなきゃ」と繰り返されるのはどーも納得がいかないんだよね。下巻ではもう少し辻褄が合ってるといいなあ。“狼”早く出てきて〜……。