読了本

雨にもまけず粗茶一服〈下〉 (ピュアフル文庫)

雨にもまけず粗茶一服〈下〉 (ピュアフル文庫)

下巻は武蔵の茶杓紛失の謎を解くミステリになるのかと思いきや、犯人あっさり判明。うおーい! ここらへんの展開の妙にはうならされた。やっぱ融通無碍な爺さんキャラはいいなあ。深謀遠慮の弟が何事もテキトーでザッパーな兄と好対照なのも面白かった。お兄ちゃん、あれ読んだことないの? と畳み掛ける読書家の行馬に大笑い。宗家跡継ぎ夭折にまつわるエピソードや、分をわきまえて身を引く鶴了との問答には思わずしんみり。比呂希と遊馬とはほんとにいい友達になったかもしれないのに、時は後戻りできないから切ない。
ともあれ遊馬はついに本格的な修行に入ったようだ。修行時代とその後の話もぜひ読んでみたいよなあ。辣腕(と想像する)ピュアフル文庫の編集さんが作家に働きかけてくれないものだろうか。