読了本

たまさか人形堂物語

たまさか人形堂物語

小売りもやってるが今は修復中心な人形の店、玉阪人形堂を舞台にした連作短編集。全編ほのぼのした話なのかと思ったらミステリタッチの怖い話や鬼気迫る職人技の話もあったりして、さほど厚い本でもないのに読み応えたっぷりで面白かった。津原さんの文章ってきれいだな……耽美なわけじゃなく、品がよくて時にはそこはかとなくユーモラスで。けれんはぜんぜんないのに言葉の選び方や間の取り方にセンスが感じられる、というか。読んでて気持ちよかった。ガーリーな表紙だけど中身はそうでもないので男性でも楽しめると思う。ヒロインの澪さん可愛らしいし(姥桜とか言われちゃうけど)。ああもっと続きが読みたかった!