読了本

電脳コイル〈7〉 (トクマ・ノベルズEdge)

電脳コイル〈7〉 (トクマ・ノベルズEdge)

ずいぶん話がきな臭くなってきた。めがねっちとか信者とか、どこまで行くんだ宮村コイル。アニメ版の観音小組もここまで悪辣じゃなかったしな……。ここではどのキャラも卑怯で姑息な方向に性格が歪んでいるのだが、そんな中でもとびきりタチが悪くなってるという。イサコがメロンパン好きというアニメ準拠の設定がさらっと織り込まれてたりする遊びはちょっと楽しい。それにしてもかんな、ダダイストじゃなかったんだ。じゃあ誰が? 猫目? 猫目ポジの新キャラが出てきたみたいだけど何だあいつ……。アマサワ教の集会シーンはアニメで町がヌルに占拠されたシーンに匹敵する不気味さだった。いやーほんとにどこまで行くんだろう宮村コイル。
バー画とは別に章のトビラを飾る挿入カットがあって、それが異様に可愛いんだけど誰が描いてるんだろ。お掃除オヤジに水泳オヤジ、どれも癒し系すぎるったらない。

巣立ち お鳥見女房

巣立ち お鳥見女房

なんか最終回みたいな終り方をしている……きれいな締めだけれど本当にシリーズ終ったら寂しいなあ。小説新潮のバックナンバー目次を調べても「剛の者」のあと新作が出てないのが気になる。忘れた頃にまた書いてくれるといいのだが。ただ珠世の子どもたちが結婚してどんどこ末広がりになっているせいか、ドラマ自体は散漫になってきてるような気はする。伴之助さんとか微妙に影薄いし。恵以とご隠居が衝突する「巣立ち」は微笑ましいオチでよかったな。あと深井国さんの装画・挿画がけっこう好きだ。